スマホキャリアのMNP争奪資金は年1兆円も使われてるんだと!
スマートフォンの普及に伴う、携帯電話3キャリアの顧客争奪合戦の激化については、当欄でも過去に何度か取り上げてきました。
ネット広告に「ソフトバンク携帯のりかえで最大70,000円キャッシュバック 」なんてのを見るにつけ、いったいコノ原資はどこから出てるのか?まあ後に使用する通信費で回収されてるんだろう、なんて思ってたんですが。
ところが、3日の日本経済新聞・電子版に、「スマホ値引き、年1兆円 3社が乗り換え客争奪戦 利用料は割高、顧客に不満も」てな記事を発見したので、紹介しておきます(全文閲覧には登録が必要)。
会員限定記事なので内容を要約すると、加熱するユーザー争奪戦でMNP乗り換えに高額の現金キャッシュバックや商品券の特典が設けられるようになり、1台7万円前後のiPhone端末価格もゼロ円に設定されるなどで、大手3社が値引きに投じた資金は合計で年1兆円に達した。結果、利用料が高止まりしてそのコストを長期ユーザーが負担するというゆがんだ競争に陥っている...
つまり、乗り換えキャンペーンに踊る事なく、従来のキャリアを長〜く使っている長期顧客が貧乏クジを引かされる構造になってる、という記事です。
気になる値引きの原資は、携帯大手が販売店に「手数料」などの名目で支払う販促費が 宛てられていて、これで割引分目減りする売上金を補填してるんだとか。この手数料はソフトバンク(2012年度)の場合、1台当たり26100円で総額 3545億円。ドコモも総額3600億円前後とのこと。auは載ってませんが、3社合わせるとおよそ1兆円規模になるんだとか。
この乗り換え客への優遇戦略が、日本の通信費が世界に比較して高止まりしてる原因のひとつになってるようです。
上 記記事の概要はこんなところですが、iPhone5sを持ちたいと思った時、同キャリアでの機種変更なら7万円近い端末料金を割賦で支払わなければならな いのに、MNP乗り換えならタダになっちゃうという、とても理不尽な現況とは、この顧客争奪に投資されてる1兆円が効いてるワケなんですね。
となると、MNPをしないで現キャリアに長くしがみついてるのは愚の骨頂ということになります。現制度が当分続くようなら、ちゃっちゃと乗り換えをしないと大損です。高額キャッシュバックのあるMNPキャンペーン がいつまで存在し続けるのかは不明ですが。
つうか、携帯キャリアは長期固定ユーザーの優遇をもっと大きくしないとアカンでしょうに。しかし何だか相当歪んでますね、通信業界って。
我が家にも、某D社契約10年以上のプレミアム会員が約1名おりまして、得割になってるからと、家族でイッキ乗り換えするのを断固拒否されてるんですけど、コレ結局、とっても馬鹿を見てるということですね。早速この記事を見せて説得してみたいと思ってます。