インフルエンザは乳児の場合、症状が軽いことがほとんどですが、幼児では脱水症や熱性けいれんやまれに急性脳症がおきることがあり、注意が必要です。抗インフルエンザ剤のタミフルは早期の使用では高い解熱作用がありますが、副反応の疑いがあり10代への使用は制限されています。乳幼児のインフルエンザとタミフルについてまとめました。
インフルエンザの典型的な症状は、急な高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、くしゃみ、鼻水などが続くことですが、ふつうの「かぜ」とは違って症状が強く、そして急に現れるのが特徴です。乳児のインフルエンザの場合は典型的な症状にはならずに軽いことがほとんどです。大多数の人はインフルエンザに罹っても1~2週間つらさを我慢すれば自然に治ってしまうのですが、幼児や小児では脱水症や熱性けいれんを引き起こしたり、また一歳児から小学校前の幼児を中心におそろしい急性脳炎を引き起こすことがまれにあります。
インフルエンザワクチンには、はしかやポリオのワクチンほどの高い予防効果はありません。小児は年齢が下がるほど予防効果の割合はさがり、幼児ではおよそ20~30%程度の予防効果と考えられています。絶対的な予防効果はないものの、インフルエンザの高熱や合併症のリスクを少しでも下げるという考え方をすれば、ワクチン接種を受ける価値があるでしょう。またインフルエンザ脳症はワクチン接種をしても発症することもあり、完全な予防は期待できません。
タミフルはインフルエンザによる発熱から48時間以内に服用すると、高い解熱効果のある薬で、体内のインフルエンザウイルス(A・B型)を増やさないように働きます。まれに重い副反応として意識障害や異常行動などの症状が報告され、平成19年に10代への使用が制限されています。
タミフルはインフルエンザC型や細菌性の風邪などには効果がありませんので、病院で鼻の中やのどの奥の粘膜を綿棒などで取り、検査によってインフルエンザの型を判定してから処方してもらいます。異常行動以外の副作用については、腹痛・下痢・はきけなどで、他に肝機能障害・ショック症状・肺炎・急性腎不全などが報告されています。またタミフルのインフルエンザ予防効果については、インフルエンザにかかった割合が、事前にタミフルを飲んでいない人は8.5%、飲んでいた人は1.3%であったとの報告があります。
幼児や小児の場合はタミフルを使用することによって、発熱期間の日数を1〜2日程度短くすることができ、病状を早く楽にすることができますが、1歳未満に対する安全性及び有効性は確立していないと注意喚起がされています。
インフルエンザはどうしてもタミフルを使わねば治らない病気ではありませんので、かかりつけの先生と相談の上決定すれば良いでしょう。タミフルの代わりに使用する薬として、リレンザやシンメトレルなどがありますが、薬を使用するしないにかかわらず、インフルエンザなどの病気で発熱している間は、乳幼児を一人きりにせず、常に様子をよく観察してあげてください。
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新型の鳥インフルエンザや豚インフルエンザが大流行してしまっても、現在使われているワクチンは効果がなく、流行し始めてから新型用のワクチンが開発されるまでの数ヶ月間は全く対応できないと言われています。
ですから、流行の初期にはタミフルやリレンザに代表される抗インフルエンザ剤しか頼れるものがないことになります。流行の兆しがみえたら、マスクやうがい・手洗いなどを十分に行なって感染しないように気をつけましょう。
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