夏の海水浴場や潮だまりで、家族で楽しむ遊泳や磯遊び、潮干狩りなどは楽しいものですが、海にはトゲや触手に毒を持つ生物や、食べると食中毒を起こす危険な魚介類がたくさんいます。
子供連れで海に出かける時は、海の生物の判別能力や応急処置の知識がないと危険です。ここでは主に本州の一般的な海水浴場や磯にいる比較的ポピュラーな危険生物と、刺されたり触れてしまったときの応急処置の方法を簡単に紹介します。
・ひれに毒針を持つ魚の場合
【応急処置】傷口を洗浄し、刺を慎重に抜き取る。カサゴ目(オコゼなど)は蛋白毒なので50℃の湯に患部を長くつけると痛みがやわらぐ。
◆ハオコゼ:磯の潮だまりなどで良く見かけるきれいな魚。背びれに14本の棘があり刺されると疼痛が2~3時間続く。赤く貼れ、発熱することもある。褐色のオニオコゼや美しいミノカサゴも同様。(→ Wikipedia)
◆アイゴ:背びれ、腹びれ、尻びれの棘に毒があるので注意。(→ Wikipedia)
◆ゴンズイ:海のナマズともいわれ釣り人の嫌われ者。夜活動し団子のように群れを作って泳ぐ。口の周りにある8本のヒゲが目印。第一背びれ、胸びれの棘に毒があるので触らないこと。(→ Wikipedia)
・刺胞を持つイソギンチャク・クラゲの仲間
【応急処置】抗ヒスタミン剤含有のステロイド軟膏を塗る。刺胞がついた可能性のある部分を再び触れないように注意する。アルコールや酢などをかけてもよい。
◆シロガヤ:一見鳥の羽やシダ植物のように見えるがヒドロ虫の群体で触れると有毒な刺胞を射出する。激痛ののち赤く腫れてかゆみが続く。(→ Wikipedia)
◆イラモ:干潮線付近の岩に群体でついている。刺胞毒は強く触れると激痛と炎症を起こす。海藻と間違えて触らないように注意。(→ Kushimito Marine Park)
・棘に毒を持つウニ・ヒトデの仲間
【応急処置】棘は脆くて折れやすいのでまっすぐに引き抜く。50℃の湯に患部を長くつけると痛みがやわらぐ。
◆ガンガゼ:ムラサキウニのようだが異様に棘が長いので判別がつく。棘に触れないように気をつける。(→ Wikipedia)
◆イイジマフクロウニ、ラッパウニ:しびれや筋肉のマヒ、呼吸困難を起こす場合もあるので注意。(→ Wikipedia)
◆ウミケムシ:姿は陸にいる毛虫とほぼ同じ。生えている剛毛に毒があり、刺さると炎症を起こす。擦らずにセロテープなどで毛を取り、消毒して抗ヒスタミン剤含有のステロイド軟膏を塗る。(→ Wikipedia)
潮だまり(タイドプール)では、毒はなくてもカキやフジツボなどの鋭い殻を持つ危険な貝もいます。ビーチサンダルでは危険です。必ず運動靴など踵の付いた靴を履いてから出かけましょう。
フグ系のテトロトドキシンは猛毒です。素人は絶対に料理したり食べたりないこと。即、病院集中治療室へ。
◆トラフグ、クサフグ、キタマクラなどのフグの仲間:ハコフグは素人も料理できるが皮膚に弱毒があるので注意。
◆スベスベマンジュウガニ、ウモレオウギガニ:フグ毒に似る。食べたものを吐いて医者へ。
◆オオナルトボラ、ハナムシロガイ、アラレガイ:フグ毒を持つ巻貝。というかフグの餌になる貝で、フグの毒の素になると考えられています。
上記に紹介している海の危険生物は、本州の海水浴場などで比較的普通に見られる生物のほんの一部で、危険度ランキングで言えばチンピラクラスの面々です。
しかし暖かい海にはアンボイナガイ、カツオノエボシ、アカエイ、ウミヘビ、ヒョウモンダコ、オニヒトデなどの、相当こわもてな連中がたくさんいます。
これらと遭遇した場合、当欄程度の簡単な情報では命に関わってしまうのであえて記述しません。触れたり刺されたときは一刻も早く病院へ行きましょう。
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