セントジョーンズワート(SJW)は古来欧米で薬用ハーブとして使われてきた多年草で、和名はセイヨウオトギリソウといいます。セイヨウオトギリソウはヨーロッパに自生し、斑点のある黄色の花を咲かせます。
神経伝達物質のセロトニンを増強して、不眠の解消や抗うつ・抗ストレスに効果があると言われていて、日本や米国ではサプリメントとして販売されています。しかし他の医薬品との併用によっては相互作用や副作用が生じる場合があるので注意しましょう。
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、薬用範囲の広いハーブで、中世ヨーロッパでは刀傷の治療薬として用いられました。成分を抽出したオイルは外用薬としてやけどや神経痛に、服用すれば胃潰瘍の治療薬になると言われ、また利尿作用や痛風にも用いられてきました。
ドイツを中心とした欧米では、軽~中症のうつ病薬として、よく用いられているハーブです。
うつ病の原因の一つは、神経伝達物質のセロトニンが減少することにより発症すると言われており、セントジョーンズワートに含まれる有効成分に、このセロトニンの増加作用があるとされています。
現在海外ではさかんに臨床試験が行われていますが、うつ病に対する効果にはバラつきがあり、さらなる研究の成果が待たれているところで、日本ではサプリメントとしてDHCやファンケル、小林製薬などから販売されています。
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・ セントジョーンズワートのサプリメント
国産SJWサプリのエキス含有量は一日あたり500mg程度で、海外の医薬品に比べると55%ほどになっています。各社サプリメントとも有効成分ヒペリシンの含有量量も1.5~1.53mgと同程度です。
主な薬効は抗うつ作用や精神安定で、更年期障害や生理痛の緩和、生理前後の精神不安などの婦人科領域の症状の改善、夜尿症にも有効な事が知られています。
また、セントジョーンズワートのハーブティーも販売されていますので、ストレスを強く感じている方や自律神経失調気味の方は一度試してみると良いでしょう。
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・ セントジョーンズワートのハーブ・健康茶
SJWサプリメントの使用で注意が必要なのは、セントジョ-ンズワートと併用すると相互作用を起こす医薬品類が報告されていることです。
特に医薬品SSRIなどの抗うつ剤を処方されている場合は、頭痛やめまいなどの副作用が発症するセロトニン症候群を生じることがあります。
ほかにも免疫抑制剤、経口避妊剤、強心剤、気管支拡張剤、抗てんかん薬、抗不整脈薬、抗HIV剤との併用は、これらの薬の効果を減弱させてしまうので、医師と良く相談の上、併用に注意をしなければなりません。
セントジョーンズワートのサプリメント効果の実感を得られるのは、最低でも1週間から2週間が必要で、1ヶ月程度かかる場合もあります。
一般的には1週間で睡眠の質が改善し、2週間で疲労感が減少、3週間で気分が改善すると言われていますが、1ヶ月服用してもまったく効果が現れないというケースもあり、抗うつ、抗ストレスに対する効果には、人によってばらつきがあるのが現状のようです。
セントジョーンズワートは、不眠症やウツ病、ヒステリーなどの治療に用いられてきた神経系の回復強壮剤ともいえるハーブで、落ち込んだ気分や不安・イライラを軽くし、精神を高揚させてくれる効果があり、ハッピーハーブとも呼ばれています。有効成分のペルフォリンが脳内セロトニンの濃度を増加させることで抗ウツに働くとされています。
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