足底腱膜炎は足底筋膜炎とも呼ばれ、スポーツ選手や中高年男性に多くみられる足の裏のかかと付近が痛む症状です。歩きはじめなどに鋭い痛みが生じる場合があります。
足底腱膜はかかとの骨から各指に伸びている足裏の緊張を保っている線維で、足底腱膜が踵骨に付いている部分に炎症が起きると足底腱膜炎になります。
足の裏のかかとの手前付近に痛みを感じたら、足底腱膜炎(足底筋膜炎)かもしれません。足底腱膜炎はアスリートや中高年の男性に多く見られ、歩きはじめや長く歩いたあとなどに痛みが生じます。
動き出しには鋭く痛むことがありますが、しばらく歩くと徐々に痛みがやわらいできます。また長く歩き続けて疲れたときなどにも鈍痛を感じる場合があります。
中高年の場合の痛みの原因は、加齢とともに弱って来た足底腱膜が、かかとの骨との付着部で炎症を起こすもので、足を地面に着いたときの衝撃と、歩行時に足の指が反る状態になって足底腱膜が引っ張られることによる負荷が炎症を起こすと考えられています。
また長時間の立ち作業、肥満、合わない靴の使用やスポーツなどによる足底腱膜への慢性的な負荷も炎症の原因となります。
中高年の人の場合、足の裏のかかとの骨の前の体の内側寄りに痛みを感じたら、まずは歩行を控えめにして安静にするようにします。軽い炎症の場合は、安静にするだけで痛みが軽減し良くなることがあります。
セルフケアとしては足底腱膜と足底筋群のストレッチや、テーピングでの固定が効果的です。しかし痛みが長時間継続したり慢性化するようであれば、整形外科を受診してください。消炎鎮痛薬や湿布薬、ストレッチング、ヒールカップや中敷きインソールなどの装具の使用、ステロイド剤注射、ヒアルロン酸注入など、さまざまな治療方法があります。
足底腱膜炎の治療には、足底全体に敷く「足底板」「アーチサポート」や「中敷きインソール」、またかかとの部分だけに敷くタイプの「ヒールカップ」などの装具が非常に有効です。
中敷きインソールは、痛みの集中しやすいかかとの中央に体重がかかりにくい形状に作られていて、内側と外側の縦アーチの低下もサポートして足の基本骨格を守ります。
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ヒールカップは柔らかいシリコンで作られており、靴のかかとの部分に敷いて使います。中央部分が特に柔らかくなっていて、かかとが地面に着いたときの衝撃を和らげてくれるものです。
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中敷きインソールやヒールカップは市販されていますが、土踏まずの部分に使用するアーチサポートや足底板は、医師の処方により義肢装具士が足に合わせて作製する装具です。
肥満があったり長い立ち仕事が多い人は、足裏にかかる負荷が大きいため足底腱膜炎が治りにくいことがあります。常にこれらの装具を使うようにするほか、屋内でも柔らかなスリッパなどを履くようなフットケアをしてください。
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装具によるケア以外に消炎鎮痛剤の内服や湿布薬の塗布で痛みをやわらげる治療があります。
痛みが激しく非常に辛いような場合にはステロイド剤の注射や、ヒアルロン酸を注入(健康保険不適用)して沈痛をすることができます。
なかなか改善しない場合は手術を行なう場合もありますが、ほとんどの足底腱膜炎(足底筋膜炎)は足底板、アーチサポート、中敷きインソール、ヒールカップなどの装具を半年ほど根気よく使用してリハビリに努めれば、徐々に痛みは少なくなってゆきます。
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